ナム山

家最高 今年一年でサックスが吹けるようになるか観測中

プログラミングを勉強していてよかったこと1

自分は器用じゃない。
物事を保留して先に進めないので、100個問題があったら1から解いていく。
複雑な原因で物事が進行しないときは手が止まってしまう。
他にも効率からは程遠い行動を選びがちで、よく言えば欲求に素直だが、悪く言えば目移りしがちな人間だった。
当初の目標を忘れ、すぐに優先順位を変えてしまうのである。

今も本質的には変わらないが、プログラミングを学ぶことによって行動や思考方法が変わった点はある。
山積みの課題を見つけたときには、今では全体に目を通してからやり方を考えられるようになった。
何がどうなってダメになってるかわからない時も、一つずつ解決して行けば快方に向かうことも実感として理解できた。
少しずつ効率化することにも抵抗がなくなった。

効率化することに抵抗がある、と聞くと不思議に思う人が多いだろう。
自分でもよくわからないが、効率化することで「取りこぼしてしまうかもしれない何か」に対する漠然とした不安があったのだ。
一括置換で余分にコードを消してしまうのではないか。大量のマージコミットで先祖返りを起こしてしまうのではないか。
これらはひとえに経験不足、技術不足に起因するものだ。
経験を積めば未知への不安はなくなるし、自動化されたプログラムは中身を理解していないから怖いだけだ。
そもそもスコープを絞って、小さな単位の一括処理を重ねることでも十分効率化できる。
こうした技術を使わず、全て手作業にすることで得られる安心は、自分でブラックな作業を課しているに他ならない。

誰しも変化は怖いし、全自動化のような仕組みは学習コストもかかる。
それでも自分に合った粒度で良いので新しいワークフローを試してみたりすると、代わりに空いた時間で他のことが出来るようになった。
そういう分かりやすい対価を実際に得て、少しずつ恩恵に預かることを繰り返していくと次第に自信に変わって行った。
少しずつやり方を変えられるところは変えて行った。

そういう時、決まって今まで失っていたであろう時間やお金のことを考えてうんざりするが、
間違っても非効率的な作業をしていた自分を責めてはいけない。
何より今日、自分は少しレベルが上がったのだ。
前を見た方がいいし、ポジティブなことにエネルギーは使った方がいい。俺は体力がないから。

今日大量のファイルに影響がある改修作業をした。
影響範囲を調べて不要なファイルを一気に削除しているときにふと、昔よりも器用に仕事をこなせている自分に気がついて嬉しくなった。
それは同時にそういう自分の変化が、日常生活にもうまく活かせていると気が付いたからだと思う。
唐突にプログラミングを学んできて良かったと思った。

頭の固い自分にはおよそ不向きであろう仕事を今までこなせてきたのも、
ひとえに辛抱強くアドバイスをしてくれた同僚のおかげだし、
やることなすこと裏目にでる自分を温かく見守ってきてくれた友人や家族、パートナーのおかげでもある。
これからも奇跡に期待せず、人からは笑われてしまうような小さな一歩でも自分や大切な人たちのために積み重ねて行きたい。

別に退職エントリとかではない。